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受講生のこれから「フォレストカレッジのご縁をカタチに 〜森ノ茶を伊那で〜(文:徳山 雅美)」

2023.04.24
受講生のこれから「フォレストカレッジのご縁をカタチに 〜森ノ茶を伊那で〜(文:徳山 雅美)」

フォレストカレッジ2022に参加された参加者から代表して4名の方に、“受講生のこれから”というテーマで記事を書いていただきました。これから、順にご紹介していきます!


「伊那の森の素材でお茶をつくりたい」

フォレストカレッジでの記憶を何かカタチにできたら、そう思い始めたのは最後の講座を終えてから1ヶ月くらい経ってからのことでした。

愛知へ戻ってから、今回の学びをどうしたらいいのだろうかと考えながら、森との関わり方を考え、自分には大きなことはできないと何か頭打ちするような日々を過ごしていました。そんななかでフォレストカレッジのときに焚き火を囲みながら語り合う仲間たちとの写真を見て、またこうして語り合うときにアカマツのお茶があったらいいなと、密かに思いを募らせるようになりました。

わたしは愛知県の設楽町という山間部の町を拠点に「森と街をつなぐ」をコンセプトにしたセレクトコンセプトショップを主宰し、森林資源や地域資源を活用する企画などを行っています。最近のプロジェクトでは設楽町のお年寄りとお茶農家さんと連携して開発したクロモジとほうじ茶のブレンド茶「森ノ茶」を通じて、森から街へとお繋ぎしています。

フォレストカレッジの森で企てるコースに参加したのは、森の編集についての学びを深めたいと思ったことからです。やまとわさんのイベントに参加したときにフォレストカレッジのお話を聞き、強く関心を持ちました。それまで地域内に留まっていた「森と街をつなぐ」をもっと広げてみたいと思っていたところで、行政と連携した協議会として運営されるフォレストカレッジの取り組みそのものもとても興味深いものでした。

濃密な数日間を終えた直後は、はじめにも書かせていただいたように、壮大な課題や現実を学び、森との関わり方がわからなくなったこともありましたが、この問答の時間が「わたしは森と関わっていきたい」という思いを強く導きました。今は大きなことはできないけれど、自分の暮らしと森との繋がりを模索していくことが、森と関わる人たちに繋ぐ新しいきっかけになり、森の可能性をわたしなりに次の世代に伝えていけたらと思うようになりました。

そこから、お茶でフォレストカレッジでいただいたご縁をカタチに「伊那と愛知の繋がり」を表現できたら、また新しい広がりが生まれるのではないかと考えるようになりました。

わたしにとってアカマツの香りは、伊那の森の香りでフォレストカレッジの濃密な数日間を思い出します。仲間たちとさまざまな視点で森について語り合ったとき、有賀製材所さんで土場や製材を見学させていただいたとき、やまとわさんの経木の製造機を見学したとき、いつもこのアカマツの香りがそばにありました。香りの記憶はとても尊く、伊那を離れてもまたこの香りを感じれば思い出します。

これはわたしの香りの記憶ですが、日常にアカマツの香りを提案することで伊那の森の記憶がさまざまな場面で生まれるのではないでしょうか。

お茶のコンセプトは、日常の食卓で味わう美味しいお茶。お茶といってもさまざまですが、今回は食卓に馴染むよう緑茶の茶葉を使用します。アカマツの香りを添えるようなイメージで、愛知県新城市の有機栽培の茶葉とのブレンドをしたいと思っております。

フォレストカレッジで学んだことのひとつに、森に関わる人を増やすことの大切さがあります。もともと伊那市と愛知の設楽町、新城市は伊那街道の中馬街道のルートで繋がっていました。この街道が使われていたのは、江戸時代から明治末期の頃までのことで、物資を馬に乗せて積み運んでいた歴史があります。伊那のアカマツと愛知の素材を繋ぐことで改めて、山と山との繋がりができ、地域の歴史や文化の継承にも繋がります。

歴史的な背景を取り入れたいと思ったのは、やまとわさんの経木Shikiの商品を手にしたときにその大切さを感じました。どの地域にも先人たちが築いてこられた暮らしがあり、今がある。そんな想いにも共感していただける人が増えたらいいなという祈りも添えたいです。

最後になりましたが、フォレストカレッジ2022に参加させていただけたことに心より御礼申し上げます。素晴らしい仲間との出会い、森との繋がりを深められたことはわたしにとって大変貴重な経験となりました。 この学びをもって、伊那の森でお役に立てることがあったら嬉しいなと思っております。ありがとうございました。


徳山さんが手がけるセレクトコンセプトショップ「noix」のinstagramはこちら


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