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受講生のこれから「二拠点林業準備中(文・北川雅規)」

2023.04.24
受講生のこれから「二拠点林業準備中(文・北川雅規)」

フォレストカレッジ2022に参加された参加者から代表して5名の方に、“受講生のこれから”というテーマで記事を書いていただきました。これから、順にご紹介していきます。


はじめに、この文章を書いている段階ではまだ僕の「二拠点生活」も「林業」も始まってはいません。正確には、準備が進み出した段階です。
しかし、このお話を頂いたときに、近い将来の自分の生活(生き方)が物凄くはっきりと見えていて、そこには二拠点生活をしながら、林業に就いている自分を明瞭にイメージできていたこと。
また、目指すイメージを文章に起こして、自分自身の未来への道標とすることで、より明確に目標へ向かう地図にできるんじゃないかと思い、この文章を書くことを決めました。

二拠点林業をする理由はシンプルに1つだけで
森での仕事がとにかく楽しい! それが最大の理由です。
しかし、現状で林業を始めようと思ったら都市には林業のできる森がない。
そうなると、林業のできる森の在る場所へ行くのが手っ取り早い。

これが、二拠点林業にたどり着いた理由です。

林業の楽しさを知ったのは、コロナ禍で社会全体の様子や仕事の在り方、働き方が大きく変化し始めた2021年に、INA VALLEY FOREST COLLEGEに参加させて頂いたことからでした。
この年はオンラインでの開催でしたが、「山で働いている人がいる」という当たり前のことを改めて意識するようになり、林業というのが木を伐採するだけだはなく、森を管理することだというのを知ったのもこの時でした。
また、そこで働く人の多くが山や森のことを考え活動していることを知り感銘を受けました。

翌年の2022年のINA VALLEY FOREST COLLEGEにも参加させていただくことができ、この年は待望の現地での開催となりました。
二回、計6日間のプログラムでは実際に伊那の山に入り、そこで活動されている、現役の木こりの方々の仕事を一緒に経験させて頂くことができました。山に入っての木こりの仕事は想像の遥か上をいく楽しさで、尚且つ奥の深い仕事なんだなという印象を受けたのを覚えています。
この経験が林業界へ入って行こうと自分を決心させてくれる経験になりました。

特に印象的だったのは、講師(木こり)の方々が皆、とても穏やかだったことです。
毎日自然を相手に仕事をしているからなのか、例えば一本の木を伐った時に、倒す方向がズレてしまい、ひと手間かけないといけなくなったような時でも、焦らず、ましてや苛立ったりすることなく、時にはその手間を楽しんでいるかのように思えるほど、中間同士でコミュニケーションを取りながら、伐木されていました。
その時に、自分もこの先の人生をそんな風に穏やかに仕事をして暮らしていけたら良いなあと思うようになったのです。

僕は今現在、名古屋市に在住し、運送会社に籍を置き、食品メーカーの物流センターで仕事をしていますが、いずれは、山の木々のように伊那の土地に根を張り、朝から晩まで山での仕事をして、自分も自然の一部であることを実感しながら人生を謳歌していきます。
ただ、そうはいってもこの先数年は、今の仕事を続けつつ、週に二日の休みを利用して山へ出かけて、林業に従事していく事になります。
二つの拠点を持つということは、選択肢が増え楽しみ方も増えるということ事だと思います。
休みの日にバレーボールを楽しむために、皆で体育館へ行くように
同じような感覚で、林業を楽しむために山へ行く
そんな働き方が実現出来たら最高です。

将来自分の子孫に、都会では出来ない自然の中での生活ができる『田舎の家』を作りたいし、自然の素材(森の素材)を使った『クリームソーダ』を作りたい!
なんて理由もあったりするけれど、
今はただただ森へ入って、自然の中で林業に従事できることが至福の時間であると実感します。

INA VALLEY FOREST COLLEGEで築くことのできた人との繋がりが、今一番の自分の武器であり、それがあることでこの先も楽しくやっていける自信につながると思います。
最後に、ここまで書いてみて思ったのは、僕の「二拠点生活」も、「林業」もまだ始まっていないのだけれど、自分の中での『二拠点林業』というのは、もうすでに始まっていて、狭い歩幅ではあるけれど、着実に前へ進んでいるんだなということを再確認することができたということです。

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