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受講生のこれから「森とアウトドア用品店(文:大里 信彦)」

2023.04.25
受講生のこれから「森とアウトドア用品店(文:大里 信彦)」

フォレストカレッジ2022に参加された参加者から代表して4名の方に、“受講生のこれから”というテーマで記事を書いていただきました。順にご紹介していきます!


私は昨年末で新卒入社から約10年勤めた会社を退職し、年が明けすぐ長野県安曇野市に移住しました。以前から趣味だったキャンプや登山といったアウトドアに関わることを仕事にしたいという想いがあり、移住先ではアウトドア用品店を開業する予定です。

フォレストカレッジ参加のきっかけは「将来アウトドア用品店を営む者として、自然のことをもっと知っておきたい」という至極単純なもので、フォレストカレッジのテーマとして掲げられていた「森に関わる100の仕事をつくる」というフレーズにも、最初の時点では正直なところあまりピンと来ていなかったなと思います。

ただ、実際に参加し講師陣から話を伺って、そこから見えてくる森の楽しさや、その裏にある課題など、多面的な森についての様子が見えてくると、当初の「自然のことをもっと知っておきたい」というモチベーションが、いつの間にか「アウトドア用品店としてもっと森と関わることができるのではないか」というベクトルに変化していきました。そして、フォレストカレッジの終わりに「連携」と「循環」という2つのことが森との関わりで重要なキーワードになるのではと考えるようになりました。

森という物理的にも概念的にも広大で漠然とした存在、それに潜む多種多様な課題を一人でどうこうするのは到底無理だけれど、たくさんの人が関わり、考え、様々な角度から取り組めば、豊かさの失われた森は少しずつ豊かに、豊かなまま残されている森は豊かなままに維持していくことができるのではないかと考えるようになったのです。多くの人がうまく「連携」していくことがとても大切なのではないかと考えるようになりました。

また、森の時間軸の長さもとても壮大で、一人の人間が一生涯かけても全てを見届けるこができないことも多いということを学び、だとすれば、豊かな森をつくっていくためには、森を豊かにする取り組みをたくさんの人たちの輪の中で「循環」させ、未来へと継続していく仕組みが必要なのではと考えるようになりました。

私が開店を目指しているアウトドア用品店は、キャンプ用品を中心としたものになる予定ですが、昨今のキャンプ市場は急激に拡大し、初心者の参画などが増えたことで裾野が広がりました。また、多くの他業種の企業もキャンプ業界に新規参入するなど、これまでにない盛り上がりを見せています。

ただ一方で、キャンパーの森への関心がキャンプ人口の増加と比例しているとは言えないのではないかと感じています。しかしそれは裏を返せば、それだけ森に関心を持ってくれる可能性のある人達がいるということでもあると考えていますし、森林に関わる人たちを増やすという意味では絶好のチャンスとも捉えられると考えています。キャンプを楽しむ人たちは自然への関心がそもそも高く、アウトドア用品店としては、そのようなキャンパーに、道具そのものへの関心や自然の中で過ごす楽しさに加えて、森への関心を高めてもらうきっかけを提供し、森の関係人口を増やしながら、森を豊かに維持するための「連携」や「循環」を促すような取り組みができるのではないかと考えています。

私の店のコンセプトを「遊んで学べる森の中のアウトドア用品店」にすることになったのは、この伊那谷フォレストカレッジの体験があってこそで、とても貴重で重要な経験だったと考えていますし、私個人の人生のターニングポイントとしても、すごく意義深いものになったと思います。

ファシリテーターとして、また講師としてお話をしてくださっていた株式会社やまとわの奥田さんは、フォレストカレッジを終えた受講者に対して「森との関わりどうしていけばいいんだと頭を抱えている人も多いと思うが、とりあえず今はそんな重く考えず、個人個人が暮らしの中で森との関わりを何となく意識するだけでいいしそれがとても重要」と仰っていました。 フォレストカレッジを通じて、私は確実に森との関わりを意識するようになりましたが、このきっかけを、私の店を訪れてくれるお客様にも、少しずつ提供できるようになりたいと強く思っています。


遊んで学べる森の中のアウトドア用品店
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