金井山素材さんが山づくりをされている西箕輪の森。その現場で、森で働くコースの“授業木こりを体感する”を実施しました。
「実際に自分たちの現場に足を運んでもらって、リアルな仕事を体験してほしい。」
伊那で林業を営む講師の2人の全面バックアップにより、今回は木こりのリアルな日常を一部体験してもらうことができました。
この現場には、有賀製材所の有賀さんもサポートスタッフとして登場。デモンストレーションで伐った木が一体いくらで売れるのか、山側の視点と、製材所からの視点、そして一般ユーザーの視点と、色んな方向から議論ができて、とても学びがあって楽しいひとときでした。
その後は、実際にグループに分かれて、木こりのサポートを受けながら1人1本チェーンソーで伐倒。休み時間には薪割りをしたり、重機に乗らせてもらったりと、密度の濃い1日でした。
最後の振り返りの時に、ある方が「木を伐るとき、木こりの人が手で方向を確認しているその姿が祈りを捧げているように見えて、ゾクゾクするくらいカッコよかった。」と話してくれました。人それぞれ色んな視点で森の仕事の格好良さや尊さを感じてもらうことができたんだなと思い、とても嬉しかったです。
そしてなんと、今回の授業で実際に伐った木は、その日のうちに有賀製材所へ運ばれ、翌日の講座で製材されることになりました。この木をどういう風に活かすかを考えるのは、企てるチームのお仕事。地域の人たちの強力なサポートにより、森と暮らしをつなぐための、とても大切な導入の部分を見て触れて、体感してもらうことができ、改めて伊那ってすごい地域だなぁと感じる1日でした。
(※写真は、参加者からいただいたものを使用しています)
〈 講師プロフィール 〉
金井渓一郎 さん
主に上伊那地域の森林所有者さんから森林整備、経営を受託しています。
丸太販売だけでなく、製材所さんと協働で地域産住宅材の販売、赤松の枝、白樺の皮など林産物の販売に力を入れています。
補助金に頼らず、林産物の売上と山主さんの投資によって森を循環させる林業を実践しています。
森林所有者が、自身の山から利益を得られるように、山を楽しめるように、山に期待を持てるように。そんな森づくりのお手伝いをするというのが基本的スタンスです。
しかし、楽しみより、山に対する不安、懸念を抱く山主さんが多いのが現状です。山主さんと直接対話しながら山を含めた自身が暮らす地への愛着を深められることが願いです。1984年、伊那市生まれ。
北原淳史さん
小学生の頃、学校の環境委員長という役を任されたことで、環境問題へ興味を持つ。その後、持続可能なモノ作りをテーマにしていた信州大学工学部へ進学。木材を扱う研究室に所属したことで、森林·林業へ興味を持つ。
大学卒業後、山造りに関する講習会を運営していた電子部品メーカーへ就職。同講習会を受講しながら4年間製品開発とマーケティングを担当するが、もっと山と深く関わりたいと思い、退職。
それから現在に至るまで、個人事業主として島崎山林塾企業組合へ所属し、複数の所有者の山をまとめて、道作り·伐採·植林·草刈り等、一貫した山造りを行っている。また、道路や建物付近に生えている危険木の除去作業も行っている。