伊那市地域おこし協力隊OBの田中聡子さんが、かつて林業の地と呼ばれた伊那市の旧長谷村を知ってもらうきっかけをつくりたいという想いから生まれた「HASE Xams」。道の駅南アルプス村のシンボルツリーになっているモミの木に明かりを灯し、クリスマスを楽しむイベントです。
今年で5年目となるこのプロジェクトは、毎年地域おこし協力隊や地域の有志が集って開催されています。
長谷には、天竜川水系である三峰川に作られた、美和ダムという大きなダムがあります。水上バイクなども楽しめる、色んな人から親しまれているこのダム。しかし、大量の流木が溜まってしまっており、地域課題の1つとなっていました。
この流木を、長谷の地域資源と捉えて、新しい価値づけをできないか。そして、長谷クリスマスの運営資金にできないだろうかということで、フォレストカレッジの課外授業が立ち上がり、3年前から一緒に模索をしています。
(※去年開催した長谷ツアーの様子はこちらからご覧ください)
そしてこの度、長谷の流木の可能性に興味を持ったフォレストカレッジ2022の受講生や関係者が集まり、長谷の流木ツアーを開催しました。
今回は、メンバーに心強い助っ人が。元々、家具づくりなどに携わっていた橋本さんという伊那市の協力隊の方が、流木と真鍮(しんちゅう)を組み合わせて、とても素敵なハンガーの試作をしてくれていたのです。
また受講生の1人が、流木とドライフラワーや森の素材を組み合わせたインテリアをつくりたいと、ドライフラワーを持ってきてくれました。
せっかくなので、みんなで集めた流木を使って色々作ってみよう!ということで、早速美和ダムのほとりへ。そこには、色んな形をした流木がたくさん流れ着いていました。
この形は服をかけやすいかな?色々イメージを膨らませながら、流木を集めていきます。
「この流木の形かわいい!」
「この大きい流木、家に持って帰りたい。」
みんな、童心に帰ったようにはしゃぎ、とっても楽しそうです。
流木が集まったら、ほっと一息。美和ダムのすぐそばにある道の駅南アルプス村長谷にてお昼ごはん。
なんと、第14回全国学校給食甲子園で表彰された、長谷中学校の生徒考案・理想の給食メニューが、道の駅に併設されている食事処すずなで期間限定メニューとして登場していました。美味しかった…!
お昼ご飯のあとは、高遠で林業を営んでいる盛木材さんへ。森の素材を集めたいと話すと、盛さんがすぐそばの森を案内してくれました。
ヒノキやスギの葉っぱ、道沿いに生えている草花。「あれも可愛いね、これも可愛いね」と話しながら、植物を採取していきます。
この植物と流木を組み合わせると、どんな雰囲気になるのか心が躍ります。
工房に戻ったら、まずはハンガーづくり。協力隊の橋本さんが事前に作ってくれた型に真鍮をはめて、フックの形を作っていきます。そして、ドリルで流木に穴を開けて、真鍮をはめ込みます。
そうすると、とても簡単に素敵なハンガーが出来上がりました。流木のハンガーと真鍮の相性はぴったり。
どの服を掛けようかな、色々と想像が膨らみます。
そのあとは、流木と植物を組み合わせて、オリジナルのインテリアづくり。森で採取した植物や、受講生が持ってきてくれたドライフラワーと流木を組み合わせて、思い思いに流木を彩っていきます。
部屋の中や、ポストの上などに置きたくなるような、素敵なインテリアが出来上がりました。流木の可能性は、どんどん広がっていきます。これから、このプロジェクトがどんな風に展開していくのか、とても楽しみです。