心地よい青空が広がる12月初旬、1期〜3期合同のリアルイベント「forest college tokyo」を開催しました!
2020年度からはじまったフォレストカレッジには、北は北海道から南は屋久島、さらには海外からの参加者もいます。その中でも参加者が多かった東京で、「リアルに集まって森への学びを深めたいね」という想いから、この度「forest college tokyo」が実現しました。
今回のフィールドは東京・八王子。
1期〜3期を横断して集まった参加者で森歩きや炉端焼きをしつつ、交流を深めていきます。そして、講師として落合俊也さん(建築家、森林・環境建築研究所 代表)をお招きした、何とも贅沢なプログラムになりました。
当日の様子を、簡単にレポートしたいと思います!
まずはフォレストカレッジの1期生であり、「forest college tokyo」の運営メンバーでもある吉田さんの案内のもと、東京の森を歩きながらの森林セラピーツアーからはじまりました。
足元にたくさん落ちている落ち葉。パッと見るとどれも同じように感じますが、よく見ると大きさや形が微妙に違っています。「クヌギ」や「コナラ」「ホオノキ」など、見分けやすい葉っぱの形の特徴を教えてもらいながら、落ち葉を観察しました。
知っている植物が1つ増えるだけで、森が急に身近に感じるから不思議です。
落ち葉を拾って見比べたり、色んな樹木が生えている森の風景を見たり、ふわふわした落ち葉の上を歩く感覚や音を楽しんだり。案内人の吉田さんから教えてもらったことを踏まえつつ、皆さんそれぞれの視点で森を楽しんでいました。
森の中を歩いていくと、30分ほどで本日のイベント会場「鎌田鳥山」に到着。
かつて天皇家の猟場だったこの場所は、100年近くに渡って伝統的な野鳥料理(現在は主に鳥料理)を囲炉裏で提供してきた、炉端焼きの名店です。
会場にはすでに講師の落合さんがいて、優しい笑顔で出迎えてくれました。まずはみんなで話を聞き、学びを深めます。
建築家であり国際森林医学会の理事も務められている落合さん。人の心地いい住まいの在り方を追求した結果、森にたどり着いたそうです。
“ 森に入るとなんだか心地がいい。 ”
“ 木の温もり溢れる家は、なんだか落ち着く。 ”
といった話は、よく聞くと思います。でも、それは何でなのでしょうか。
今回は、森や木に触れることで感じる癒しの効果やその影響について、科学的なエビデンスをもとに、お話いただきました。
例えば、森の中には、人間が聞き取れない高周波(ハイパーソニック)で溢れてるそうです。森に入ると聞こえる、鳥のさえずりや木々のざわめき。その音と一緒に、人間が聞き取れない高周波を体全体で受けることで、私たちの脳機能が高まり、さらには健康増進にもつながると落合さんは話します。だけど、都市にはそのサウンドがない。
「森の中で何かをするだけですごい。それだけですごく特別なことなんです。」
医療、微生物、アート、環境の情報と皮膚の関係性etc…。さまざまな視点から森の価値と可能性についてお話いただき、その場にいる参加者もスタッフも、落合さんの話に終始夢中になって耳を傾けていました。
お話を聞いた後はグループに分かれて囲炉裏を囲み、炉端焼きを食べながらの交流会。落合さんの話の感想をシェアしたり、近況報告をしたりと、話に花が咲きます。
途中、1人ずつ自己紹介と近況報告をしてもらう時間を設けました。
「まずは自分が森を感じて楽しむことを大切にしたい。色んな森へ足を運びながら、植物の香りを生かした商品開発に挑戦しています。」
「先祖が植えた樹齢300年のカヤの木を伐採し、その木を余すことなく大切に生かしたい。カヤの木を使った暮らしの小物製品をつくり、売上の一部を次の森づくりにつなげていきたいと考えています。」
「本業の傍ら、林業に関わる人のかっこよさを伝えるためにメディアを立ち上げ発信しています。」
ここには書ききれませんが、皆さんそれぞれ色んな形で森と関わっていて、もっと詳しく話を聞いてみたいと思う人ばかりでした。
100年続く森の中の囲炉裏料理店「鎌田鳥山」。その場所で、1期〜3期まで横断した受講生が集まって交流する、まるで同窓会のようなひと時。短い時間ではありましたが、笑い声があちらこちらから聞こえてくる、とても楽しい時間でした。
「ずっとオンラインでしか会えなかったので、リアルに会ってお話ができて本当に楽しかったです。」
「落合さんのお話が本当に面白かったです。たくさんの気づきと学びをもらったので、家に帰ってからゆっくりと自分の中に落とし込んでいきたいです。」
このイベントの間に、参加者同士で次の計画を企んでいた人もいたようです。ゆるやかな繋がりを大切にしながら、これからもみんなと一緒に森を楽しみたいなと思いました。