9/17〜9/19にかけて、伊那谷フォレストカレッジ9月の合宿を開催しました。今回も朝から晩までボリューム満点なプログラムでしたが、本当に楽しいひとときでした。
森ではじまり、最後は国指定文化財の藩校「進徳館」で締めくくった今回の合宿。簡単に振り返りたいと思います。
1日目は、森のことについてもう少し深く学ぶ時間。岡山県西粟倉村にある株式会社百森の田畑直さんから、地域林業のプランニングについて学び、長野県伊那市にある株式会社やまとわの奥田悠史さんからは、地域資源の価値づけについて学びました。
森のことを、森の中で学ぶ時間は本当に心地がいいですね。パチパチと燃える焚き火を囲みながら、各々が感じたことについてアプトプットしてく。2回目の合宿ということもあって、前回以上に打ち解けた様子で対話をしている参加者の皆さんの様子が、とても印象的でした。
2日目は、2コース別々のプログラム。森で働くコースは、その名の通り1日森で働きました。最後は自分たちで伐った木を薪の大きさして、山主さんに届けるところまで。
最初は鬱蒼としていた森が、徐々にきれいになり、風と光が通る心地よい森になっていく。そして、ただ木を伐るだけでなく、その木を山主さんに届けることで、笑顔になってもらえる。参加者の人たちも、講師の人たちも、山主さんも、みんな嬉しそうで、そこにはとても温かい空気が流れていました。
森で企てるコースは、徳島県上勝町を拠点にスギの木から糸や布をつくっている、合同会社すぎとやまの杉山久実さんの講義。その後は、実際に木から作られた布”kinof”を使って、草木染のワークショップを行いました。
青空の下、草木染をした布を干している様子は、まるで映画のワンシーンのよう。とても素敵な光景でした。
午後一発目のプログラムは、2コース合同で伐倒デモンストレーションの見学。木こりの北原さんが、どうやって木を伐っていくのか、丁寧に解説してくれます。企てるコースの人の中には、初めて伐倒を見る人もいて、興味津々。木が倒れた直後、参加者からは自然と拍手が沸きました。
その後は、ふたたび座学へ。森とツーリズムの可能性や森の伝え方について、第一線で活躍している講師から学び、ディスカッション。時間を忘れるくらい、各々が感じたことについて真剣に話し合っている姿が印象的でした。
最終日となる3日目。2コース合同で、地域材のエネルギー利用について、薪ストーブを販売している株式会社dldを見学。その後は、会場を国指定の文化財「進徳館」へ移し、“地域の他産業と森の連携をつくる”をテーマに、熊本県南小国町にある黒川温泉協同組合の北山元さんより、その取り組みについて学びました。
そして最後は、問答の時間。
今までフォレストカレッジを通して学んだことを振り返りながら、自分と対話をする。100年以上前に高遠藩の人たちが学んだその場所で、自分の人生と森をどのようにクロスさせていくのか静かに考える。模索して、段々分からなくなっていって、だけど少し糸口が見つかりそうで、その糸をゆっくり手繰っているような、そんな姿を見ていると、なんだか胸がいっぱいになりました。
フォレストカレッジ2022のメインプログラムは、これにて終了になります。しかし、合宿が終わった後も、参加者主導でスタディーツアーが行われたり、交流会が開かれたりと、そのつながりはどんどん強くなっているように感じます。
今回、このフォレストカレッジを開催するにあたって、色んな人が運営のサポートをしてくださいました。会場の準備、片付け、お弁当の手配、送迎、撮影etc…。朝から晩まで、なかなかハードだったと思うのですが、皆さん本当に楽しそうに関わってくださって、準備の時から笑い声が響いていて。スタッフも参加者も一丸となって楽しむことができたので、このフォレストカレッジが開催できたんだと思いました。あらためて、ありがとうございました。
これから、この合宿の様子を映像等でもアップしていく予定ですので、お楽しみに!